モノの値段は「需要と供給で決まる」、と言った話を聞いたことがあると思います。
需要が供給より多ければ、モノの値段は上がります。
需要が供給より少なければ、モノの値段は下がります。
これは人材にも言えることで、人手不足になれば給料は増える、はずなのです。
ところが、実際に人手不足なのに給料はほとんど上がっていません。
なぜでしょうか?
この記事では、人手不足なのに給料が上がらない理由について書いています。
非正規雇用が増えている
その理由として人手不足が深刻な業界ほど、パート・アルバイトなどの非正規雇用を必要としている、という見方があります。
人手不足が深刻な業界は次の5つです。
- 介護・看護
- 運送
- 小売
- 宿泊
- 外食
介護・看護を除けば、パート・アルバイトを大勢雇って営業している業界が多いことが分かります。
つまり、求めているのは正規雇用ではなく非正規雇用。
そのため、正規雇用の給料が上がらず、「人手不足なのに給料が上がらない」と感じてしまう、と考えることが出来ます。
そのことを裏付けるように、非正規雇用は平成元年の817万人(19.1%)から、平成27年には2,023万人(37.5%)に増えています。
また、短時間労働者の時給を見ると、平成元年は男性:855円、女性:662円ですが、平成27年には男性:1,134円、女性:1,054円になっています。
賃上げ=コスト
もう1つの理由は、「賃上げ=コスト」だということです。
いま(2017年)は、2012年12月から続く景気拡大がバブル経済期を超え、戦後3番目に長いと言われています。
そして、17年3月期決算で過去最高益の企業が相次いで出ているそうです。
だからと言って、この好景気が永遠と続くとは言えませんよね。
人は今より賃金が下がることには敏感に反応し、そして強く抵抗します。
つまり好景気だからといって賃金を上げてしまうと、いつか不景気になったときコストとして重くのしかかる可能性があるのです。
さらに言えば、日本では正規雇用を解雇することがとても難しくなっています。
人手が余り人件費が経営を圧迫したとしても、簡単には削ることが出来ないのです。
だから人手不足でも給料はなかなか上がらないと、考えることが出来ます。
社会保険料が高すぎる
給与30万円の人で社会保険料をどのくらい支払っているか、知っていますか?
じつは給与の15%を社会保険料として支払っています。
しかもですよ。
厚生年金保険料は、毎年3.54/1000ずつ上がっていく予定なのです。
わかりやすく言えば、給与が上がっても社会保険料も上がるので、手取りは増えにくい、ということです。
国は企業に「給与を増やせー、給与を増やせー」と言いながら、きっちりと保険料や税金として回収している、ということですかね。
結論:給与を増やしたければ転職する
結論として1つの会社で長く働いても、よほど良い会社でないかぎり給与は増えません。
たとえ増えたとしても、手取りで「増えた―!」と実感するところまではいかないでしょう。
なので給与を増やしたいと考えるのなら、今よりも給与の高い会社に転職するしかないでしょう。
需要と供給の話をしましたが、人材に需要と供給の力を働かせるには、人材の流動性を高める必要があります。
つまり「高い給与を払わないといなくなってしまう」と、企業が考えないとダメなのです。
だから今よりも高い給与をもらいたいのなら、在職中に次の仕事を探し、納得のいく転職先を見つけて転職してください。
待っているよりも動いた方が、給与が上がる確率は高いはずです。
Note
人手不足なのに給料が上がらない理由
- 正規雇用ではなく非正規雇用の需要が高い
- 将来を考えると、正規雇用の給料は上げにくい
解決するには、今より給与が高い会社へ転職するしかありません